特別最高顧問 村本孜

日本知的資産経営学会に期待すること

日本知的資産経営学会 特別最高顧問 村本孜
(成城大学 社会イノベーション学部 教授)

政府系金融機関の直接融資と証券化支援、信用補完制度という3本柱が民間金融を誘導・補完する一方、リレーションシップ・バンキングが地域金融機関に浸透し、新連携などの中小企業政策とも連動して地域活性化に寄与しつつある。しかし、公的金融が明確な政策目的を持つ分野に、民間金融機関では採算上等から対応困難な分野(零細・小口向け等)に特化としても、民間金融が参入可能なように環境・インフラ整備を実施する環境整備が重要である。この点で、企業の非財務情報・ソフト情報・定性情報をビジュアル化する知的資産経営ないし知的資産経営報告書の普及は喫緊の課題である。その際、弁理士・税理士等の士業が知的資産経営報告書の信憑性を担保する作業を担うことで普及は高まるであろう。この学会はその要とネットワークになると期待される。

村本 孜